- この記事のハイライト
- ●不動産売却後の確定申告は、必要なケースと不要なケースがある
- ●必要なケースで確定申告をしないと、無申告加算税が課されるなどのリスクが生じる
- ●特例を適用する場合は、不要なケースでも確定申告をする
不動産売却後は、確定申告が必要なケースと不要なケースに分かれます。
必要なケースで確定申告をしないと、延滞税などを課されてしまうので、必要性はしっかりと確認しておきましょう。
今回は和歌山市で不動産売却をご検討中の方に向けて、確定申告が必要か不要かを確認する方法についてご説明します。
確定申告を忘れた場合の対処法などもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
不動産売却後に確定申告は不要?①必要性を確認する方法
確定申告とは、1年間の所得を申告して納税額を確定することです。
「所得」は給与所得や事業所得だけではなく、不動産売却によって得た利益である譲渡所得なども該当します。
譲渡所得は申告分離課税に該当し、給与所得などとは別に税額を計算するので、譲渡所得が出た場合は確定申告が必要です。
そして、譲渡所得が出なかった場合は、確定申告は不要です。
では、譲渡所得が出るかどうかは、どのようにして確認するのでしょうか。
譲渡所得の確認方法
譲渡所得の有無は、以下の式で計算すると確認できます。
譲渡価格-(取得費+譲渡費用)
譲渡価格は不動産の売却価格、取得費は不動産購入時にかかった費用、譲渡費用は不動産売却時にかかった費用です。
この計算結果がプラスの場合は、税金がかかる「課税譲渡所得」が出たことになるため、確定申告が必要です。
不動産売却をした翌年の2月16日から3月15日に、住所地を管轄している税務署で確定申告をおこないましょう。
計算結果がゼロ以下の場合は課税譲渡所得がないため、基本的に確定申告は不要です。
特例を使うと譲渡所得税がなくなる場合の注意点
譲渡所得に課税される「譲渡所得税」にはさまざまな特例があり、なかには譲渡所得から一定金額を控除できる特例もあります。
その場合、譲渡所得の計算式は以下のように変わります。
譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
この式の計算結果がゼロ以下になる場合は、譲渡所得税は発生しません。
ただし、特例を適用するためには確定申告が必要です。
ですから、「譲渡所得税がかからないから確定申告は不要」と考えないように注意しましょう。
確定申告が不要なのは、特例を適用する前の譲渡所得がゼロ以下になるケースです。
確定申告の必要性を確認する場合は、この点を誤解しないようにすることが大切です。
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不動産売却後に確定申告は不要?➁申告を忘れた場合の対処法
先述したように、確定申告の期間は、基本的に不動産売却をした翌年の2月16日から3月15日です。
不動産売却から期間が空く場合も多いので、確定申告を忘れてしまうことがあるかもしれません。
また、確定申告が必要なのに、確認方法を間違えて不要だと勘違いしてしまうこともあるでしょう。
その場合は、複数のリスクが発生する可能性があります。
不動産売却後の確定申告を忘れた場合のリスク
確定申告を忘れたり、不要だと思って申告しなかったりすると、以下のようなリスクが発生します。
- 無申告加算税が課される
- 延滞税が課される
- 銀行の融資が受けられなくなる
無申告加算税とは、確定申告をしていないことに対するペナルティです。
納めるべきだった税額の50万円までの部分には15%、50万円を超える部分には20%を乗じた金額が請求されます。
そして、確定申告を忘れた場合は、無申告加算税にくわえて延滞税も課されます。
延滞税として請求されるのは、納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じた税率を、納めるべき税額に乗じた金額です。
確定申告をしても、期限までに税金を納付しないと延滞税が課されてしまうので注意しましょう。
また、事業をおこなっているのに確定申告をしないと、銀行の融資を受けられなくなるリスクがあります。
銀行の融資を受けるためには、決算書の提出が必要です。
確定申告をしていないと正確な決算書を作成できず、信頼を失って融資を受けられません。
事業を続けられなくなる可能性もあるので、確定申告は忘れずにおこないましょう。
不動産売却後の確定申告を忘れた場合の対処法
不動産売却後の確定申告を忘れた場合や、不要だと思って申告していないと、4月以降に税務署から「譲渡所得の申告についてのお尋ね」という文書が届きます。
なぜ確定申告をしていない不動産売却を税務署がわかるのかというと、法務局でおこなった所有権移転登記の記録が税務署に送られるからです。
そのため、不動産売却によって譲渡所得を得た事実を隠しておくことはできません。
ただ、お尋ねの文書が届いても、すぐに対応すれば無申告加算税や延滞税を課されずに済むことがあります。
ですから、お尋ねの文書によって確定申告を忘れたことに気付いたら、速やかに回答するとともに、できるだけ早く確定申告と納税をおこないましょう。
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不動産売却後に確定申告は不要?➂申告の必要性に関わる特例
不動産売却によって得た譲渡所得にかかる譲渡所得税には、節税につながる特例が複数あります。
また、譲渡損失が出た場合に使える特例もあるので、種類や内容を確認しておきましょう。
不動産売却時に適用できる可能性がある特例
不動産売却時に適用できる特例は複数あるので、代表的な3種類をご説明します。
1つ目は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。
これは、マイホームの売却で要件を満たすと、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例です。
譲渡所得税の税額は「譲渡所得×税率」で算出されるので、この特例を適用すると大きな節税につながります。
2つ目は、「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」です。
譲渡所得税の税率は不動産の所有期間によって決まり、所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年を超える場合は20.315%です。
所有期間が10年を超える場合にこの特例を適用すると、6,000万円までの譲渡所得の税率が14.21%に軽減されます。
3つ目は、「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。
譲渡損失とは不動産売却によって生じた損失のことで、「譲渡価格-(取得費+譲渡費用)」の計算結果がマイナスになった場合は譲渡損失が生じたことになります。
この特例を適用すると、譲渡損失を不動産売却以外の所得と相殺することが可能です。
たとえば、給与所得から譲渡損失を差し引くと課税所得が減り、所得税や住民税の節税につながります。
さらに、不動産売却をした年の所得よりも譲渡損失の金額が大きかった場合は、翌年以降も損益通算ができます。
これを「譲渡損失の繰越控除」といい、最長で3年間繰り越すことが可能です。
なお、譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例は、令和5年12月31日までに売却することが要件の1つであることを覚えておきましょう。
特例を適用する場合の確定申告
ご説明した特例を適用する場合は、確定申告が必要です。
とくに、3,000万円特別控除の特例を適用して譲渡所得がゼロ以下になるケースは、確定申告が不要だと思ってしまうことが多々あります。
けれども先述したように、確定申告が不要なのは「特例を適用する前の譲渡所得がゼロ以下のケース」です。
特例を適用するためには確定申告が必要なので、勘違いしないように注意しましょう。
また、譲渡損失が生じた場合の確定申告は基本的に不要ですが、損益通算の特例などを適用する場合は申告が必要なので、その点もしっかりと覚えておきましょう。
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まとめ
不動産売却をした際は、確定申告の必要性をしっかりと判断しましょう。
確定申告が必要なのに忘れた場合は、気付いた時点で速やかに申告と納税をすることが大切です。
私たち「和歌山市不動産売却センター」は、和歌山市を中心としたエリアで不動産の売却をサポートしております。
不動産売却に関するご相談も随時承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。