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不動産売却における成年後見人とは?制度の手続きや書類について解説

カテゴリ:不動産を売る時

不動産売却における成年後見人とは?制度の手続きや書類について解説

この記事のハイライト
●成年後見制度とは、弱者を守るため家庭裁判所が選任した者が財産を管理する制度
●成年後見人の申し立ては家庭裁判所に必要書類を提出してから審理まで約2か月かかる
●成年後見人の不動産売却が妥当なのか、家庭裁判所が状況や理由を判断する

親が認知症を患って意思表示ができない場合に、子供が勝手に不動産売却をすることはできません。
では、その場合には何の書類を用意して、どんな手続きをすれば良いのでしょうか?
和歌山市で認知症の不安がある親の不動産売却について情報収集している方に向けて、成年後見制度やその注意点について解説します。

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成年後見人が本人に代わり不動産売却をおこなう成年後見制度とは

成年後見人が本人に代わり不動産売却をおこなう成年後見制度とは

成年後見制度とは、本人が知的障害や認知症や精神疾患など、判断能力が低下した状態で法律行為などで損害を被るおそれがある場合に、代理人や支援者を立てて本人の権利や財産を守る国の制度です。
成年後見人が本人のためにおこなう支援内容には下記の2種類があります。
財産管理
預貯金の浪費や、不動産などを無計画に購入・処分しないよう管理する。
身上看護
介護サービスや支援施設との折衝や手続きをする。
ちなみに、不動産の処分権限をもつ成年後見人なら本人に代わって不動産の売買ができます。
法律で認められている成年後見制度には、次の任意後見と法定後見の2種類があります。

不動産売却を本人に代わりおこなう成年後見人:任意後見制度とは

任意後見制度とは、本人にまだ判断能力があるうちに、本人が後見人を選んで契約しておく場合です。
任意後見制度の手続きとは、本人と後見人とが公正証書を使用して任意後見契約を締結しておきます。
公正証書とは、本人が持つ書類に改ざんや紛失があっても証拠が保全されるように、公証人が書類の内容を精査し書類の写しを証拠として公証役場で保管する、証拠保全に優れた有償の手続きです。
また、公正証書は記載された契約内容に違反すれば、裁判所の手続きを省略していきなり強制執行などの支払いを強制することができる強力な書類です。
任意後見人は誰でもなれるわけではなく、未成年者や破産者を除く親族か司法書士、弁護士、社会福祉士など、法律などに詳しい専門家がなるのが一般的です。

不動産売却を本人に代わりおこなう成年後見人:法定後見制度とは

法定後見制度とは、本人の判断能力が低下し判断能力が乏しくなった後から後見人を選びます。
法定後見人は任意後見人とは異なり家庭裁判所が法律に則って本人に代わり後見人を選ぶため、人選に関して本人が指示する事はできません。
法定後見制度は、さらに成年後見人・保佐人・補助人の3種類に分かれています。
成年後見人
3つの中で本人の意思表示や判断がもっとも難しい場合で、認知症や心身喪失状態などの場合です。
権利の範囲は次のようになります。

  • 代理権:本人に代わり財産の処分(売買)などをする
  • 財産管理権:本人に代わり財産を管理する
  • 取消権:本人がおこなった法律行為(契約など)を取り消す

保佐人
認知症の症状が軽いものの財産の取り扱いを誤る可能性がある場合には保佐人を選びます。

  • 同意権・取消権:財産に関するなど重要な法律行為の最終決定をする
  • 代理権:家庭裁判所が許可した範囲内の法律行為を代わりに締結する

補助人
失念の程度や頻度が少し高いものの、本人が自覚していて意思疎通には問題がない場合は補助人を選びます。

  • 同意権・取消権:処分など特定の法律行為(本人の同意も必要)に限る
  • 代理権:家庭裁判所が許可した範囲内の法律行為(本人の同意も必要)を代わりに締結する

以上の3つのいずれの選任でも、本人の症状を判断するための意志の診断書の添付が必要です。

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成年後見人による不動産売却!成年後見申し立ての手続きとは

成年後見人による不動産売却!成年後見申し立ての手続きとは

成年後見人を選任するために申し立てる窓口や手続き内容、そして必要書類についてご紹介します。

不動産売却前に成年後見人を選ぶ手続き:家庭裁判所への申し立て

認知症がすすみ意思表示ができない親の代わりに不動産を処分したい場合などは、家庭裁判所へ申し立てて成年後見制度に従い成年後見人の選任手続きをします。
手続きができる家庭裁判所は、原則として申請者ではなく本人(認知症の親など)の住所地を管轄する家庭裁判所です。
また、申請できる者は、本人・配偶者・4親等内の親族(いとこ・叔父叔母・甥・姪まで)・市区町村長です。
家庭裁判所による成年後見人の選任までには審判開始から約2か月かかり、申立書類の内容や本人の事情などでさらに期間が延びることもあります。
そして、そこで選任された成年後見人と不動産会社とが売却の媒介契約を締結して、不動産売却がスタートします。

不動産売却前に成年後見人を選ぶ手続き:申し立てる際の必要書類

家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てる際には下記の書類が必要です。

  • 申立書(申立人の個人情報を記載)
  • 申立書付票(申立書を補足する情報)
  • 本人の財産目録(不動産・金融資産・借金や売掛金など)
  • 本人の財産等に関する資料(財産の詳細が分かるもの)
  • 本人の収支予定表(本人の年間収支金額の概算)
  • 本人の診断書(本人の健康や精神状態を主治医が診察)
  • 本人に成年後見等の登記がされていないことの証明書
  • 親族関係図(本人の親族関係について)
  • 後見人等候補者身上書(後見人候補者の属性や周辺状況)
  • その他の書類(戸籍・住民票・健康状態その他の資料)

ただし、上記書類には別名などもあり、また申し立てる家庭裁判所や状況に応じて必要書類が異なるため、必ず事前に確認してください。

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成年後見人が不動産売却をおこなう方法とは

成年後見人が不動産売却をおこなう方法とは

成年後見人による不動産売却は、本人(認知症などを患う方、被後見人)にとって居住用か非居住用かによって手続きが異なります。

成年後見人制度による不動産売却方法:被後見人の居住用の場合

被後見人の居住用不動産を売却するには、本人の保護を最優先する制度主旨からも家庭裁判所の許可が要ります。
家庭裁判所は、申し立ての書類から関係者や不動産などの事実確認と同時に、その不動産を売却するのが被後見人にとって本当に必要なのかを公平に総合的に判断します。
ですから、いくら身近な親族が申請していたとしても、その理由が妥当性に欠けると判断されれば許可が降りない場合も当然あるのです。
もしも、許可なく勝手におこなった不動産売却ならその契約は無効とされ、成年後見人は不適格として解任されることもあります。
さらに、売買契約後に決済や引き渡しをする際にも、再度家庭裁判所の許可を要するなど保護に対する対策は徹底しています。

成年後見人制度による不動産売却方法:被後見人の非居住用の場合

非居住用不動産の売却には被後見人の住居が無くなってしまうおそれがないため、家庭裁判所の許可は要りません。
この場合ですと成年後見人の判断だけで売却できますが、成年後見監督人が選任されているなら成年後見監督人の同意も必要です。
ちなみに、居住用か非居住用かの区別は現在もしくは過去に一度でも住民票をおいたことがあるかが判断基準のひとつになりますが、判断に迷うなら家庭裁判所へご相談ください。

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まとめ

認知症や精神疾患は前触れなくやってきますが、保護対象者の個人の権利は最優先されるため、それがいくら親子関係であっても勝手なことはできません。
また、現代は超高齢化社会で親の認知症による不動産売却が年々増加しておりますが、できれば早くに対策をして意思表示が鮮明なうちに資産の整理をおこないたいものです。
和歌山市を中心に仲介や買取をおこなう「和歌山市不動産売却センター」では被後見人を必要とする売却や事前相談も丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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