一人暮らしの部屋、特にワンルームや1Kなどのキッチンは、あまり広くないけれど、それでも節約・健康のためにしっかり自炊をしたいという人は多い。そのためには、どんな間取りを選べばいい? 必要な家電は何? どこにどう置く? 収納が足りないときは? キッチンの狭い&収納不足の解決方法を、インテリアコーディネーターの住吉さやかさんに教えてもらった。部屋・家電選び、レイアウトの参考にしよう。
一人暮らしのキッチン キッチンと部屋は一緒がいいか、別がいいかを考える
ワンルームなら寝る部屋と一緒、1Kなら独立したキッチン
初めて一人暮らしをする人が選ぶ間取りは、ワンルームと1Kが多い。「これらの間取りの最大の違いは、キッチン。部屋とキッチンがつながっているか、独立しているかが明確に違います」と住吉さん。
●ワンルーム:1部屋だけの間取り。玄関から居室までに間仕切りがなく、オープンにつながっている
●1K:1部屋+キッチンの間取り。玄関から居室までに間仕切りがあり、居室とキッチンが分かれている
「1Kは料理をする人に向いている」とも限らない?
ワンルームはキッチンが寝る部屋と一緒になっており、1Kはキッチンが独立した間取り。そのことだけを考えると、よく料理をする人には1Kのほうが向いている、と思われることが多いようだが「実はそうとも言い切れないケースがあります」と住吉さん。
「下の例は、どちらも1Kの間取りで、キッチンも同じくらいの広さに見えますが、冷蔵庫置き場が1枚目はキッチン内にあり、2枚目にはありません。この場合、冷蔵庫は部屋に置かなければならなくなります」
部屋とキッチンの境目がないワンルームは自由度が高いことも
キッチンがここまで、と明確に決まっている1Kと違い、キッチンと部屋の境目がないオープンなワンルームの場合を見てみると……。
キッチン自体は狭いが「どこまでがキッチン、と決まっていないので、キッチン関係の家電や収納を置く位置によって、ここまでがキッチン、と自分で決めることができます。最初からここまでと決まっている1Kに比べて、ワンルームのキッチンは、十分な広さがあれば、かえって自由度が高いこともあります」
また、ワンルームの場合、部屋とキッチンが一緒だから冷暖房がキッチンにも効く、テレビを見ながら作業ができるといったメリットもある。一方、1Kは料理のニオイが寝室に回りにくいというメリットも。このように考えると、料理のしやすさという点ではどちらにもメリットがあると言えそうだ。
「ワンルームでも1Kでも、キッチンに置きたいものが置けるか、どれくらい料理をするかなどを考えることが大事。特にキッチンの広さが決まってしまう1Kの場合は、よく確認を。物件データや間取図を見ただけで判断せず、必ず現地を見て、実際の暮らしを想像して、自分にぴったりな物件を選ぶことが大切です」